約 1,867,326 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/285.html
537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 12 43 37.15 ID 1GYqCe5p 「それでは、珊瑚諸島海域の突破を祝して!乾杯!」 「「「かんぱーーーい!!」」」 鎮守府、フタマルマルマル時。艦娘と提督が一同に会し、祝勝会が開かれていた。 100人に近い艦娘達が大騒ぎしている様は、圧巻というほかない。 戦艦勢が次々と盃を空にしては注文の声を上げ、間宮と鳳翔はてんてこ舞いの様子だ。 向こうの方では那珂が2人の姉を引っ張り出して歌いはじめたのが見える。この時間なら夜戦夜戦と騒がしいはずの川内も、妹の勢いに押されている。 「提督!次はいよいよ最前線ですね!」 「五月雨じゃないか。先の海戦ではよくやってくれた。次もよろしく頼む」 「お任せくださいね!」 「だから・・・私は飢えてなんかないって・・・何度言ったら・・・・」 「駄目だ、もう出来上がってやがる。羽黒、足柄を頼むよ」 「は、はいっ」 俺はといえば、皆の間をまわって、今次作戦で活躍した艦娘の慰労につとめていた。 飲み物を注いでやり、自分も一杯やって、しばし会話を楽しむ。 どっちが慰労されているのか分からなくなりそうだが、これだけの規模の艦隊を運営する日頃の激務を思えば、これぐらいの役得があってもバチは当たるまい。 一回りおえて空母勢のテーブルに来てみると、想像外の光景が展開されていた。 「やはり鳳翔さんの料理は最高ですね・・・潮さん、おかわりをください」 「た、ただ今っ」 「ええ、本当に・・・漣さん、おかわりを」 「はい、どうぞ」 「お前たち、随伴艦を給仕に使うのはやめないか」 そこにあったのは、山盛りの茶碗と、同じく山のように積み重なった皿と、せっせと働かされる哀れな駆逐艦と、食欲なお衰えぬ赤城に加賀の姿であった。 「提督、続けて出撃の予定もないのに高速修復材を使用したのはいかがなものかと思いますが」 「遠征組が頑張ってくれているんだ、当分使い切る心配はないさ。そんなことより、主賓抜きで祝勝会もないだろう」 「それは、そうですが」 「お前たちが疲れを癒してくれなければ、この会を企画した意味もない。存分に楽しんでくれ」 「ありがとうございます」 「適当なところで給仕も解放してやれよ」 そう言って席を立ち、その場を後にする。宴席を回る間にそれなりの量を飲んでおり、少し酔いを覚ましたかった。 執務室に戻ると、秘書艦のいない空間がやけに広く感じた。いくつか残した書類を片付けるべく机にむかうが、酔った頭で作業がはかどるはずもない。 多少なりともなんとかならないかと格闘しているさなか、ふとノックの音が響いた。 「加賀、戻りました。────申し訳ありません、お手伝いもせず」 「ああ、おかえり。構わないよ、今日はもう仕事にならないからやめだ」 立ち上がって加賀を出迎える。彼女も酒が回っているのだろう、かすかに上気した顔に視線が釘付けになる。 「少し、こっちにこないか」 「?はい」 電燈のスイッチを切って、俺は加賀を窓際へ誘った。 暗がりのなか、はっとした表情の加賀が月明かりに浮かび上がったが、彼女は何も言わずについてきた。 肩を並べて外を眺めると、がらんとしたドックの上に月が浮かんでいるのが見えた。 「綺麗な月ね──────」 「ああ、戦の真っ最中だというのに、嘘みたいだな」 「そうね」 「改めて、今回はよくやってくれた。礼を言うよ」 「私は務めを果たしたまでです」 「それでもだ。加賀航空隊の奮戦がなければ、今日こうして祝うこともできなかった」 その言葉は嘘ではなかった。攻めあぐねていた敵戦艦を吹き飛ばして突破への道を開いたのは、他でもない加賀航空隊だった。 「みんな優秀な子たちですから」 加賀はそう言って左肩の飛行甲板をゆっくりと撫でる。普段と変わらない沈着な表情、しかしその目にはどこか愛おしさが込められているように感じた。 「大事に思っているんだな」 「ええ、私の誇りです」 「なら、優秀な旗艦である加賀は俺の誇りだな」 「・・・・・提督、夜戦はお断りしたはずですが」 肩に手をやって引き寄せると、加賀は抗議するように腕の中で小さく身じろぎした。 「今次作戦の一番の武勲艦に、なにか褒美を上げたいと思ってな」 「褒美、ですか。それは受けとらなければ失礼にあたるわね」 こうやって加賀からスキンシップを拒否されるのは、初めてではない。 最初は、飛行甲板はデリケートだから触るなと言われた。飛行甲板でなければいいのだろうと頭を撫でたら、怒られた。 次は遠征に出る水雷戦隊の見送りに行った帰り道、そっと手を握ってみた。こっちを睨んできたが、手が冷たいから暖めてくれと言うと、焼き鳥にされたいのかと言いつつもおとなしくなった。赤城に見られそうになると慌てて振りほどいて逃げていった。 大破してボロボロの状態で執務室に帰ってきて、思わず抱きしめたこともあった。さっさと報告を聞いて入渠させろと言いながら、抵抗はしなかった。 そんなこんなで徐々に距離が近づいていったある日、近代化改修を終えた自分を見てほしいと言ってきた加賀を、俺は抱いた。 何か理由でもなければ触れることを許してくれないのは、彼女なりの照れ隠しなのだということに、その時ようやく気づいた。 以来、俺たちは子供じみた言い訳を見つけては体を重ねることを繰り返していた。加賀からねだってくることも、珍しいことではなかった。 腰に手を回して抱き寄せる。もう抵抗するそぶりもない。互いの体が密着する。程よくくびれた腰の感触。こちらを見上げる目つきに背筋がざわつく。 これ以上我慢できなかった。俺は彼女を抱きしめ、そっと唇を重ねた。 539 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2014/02/13(木) 12 48 56.50 ID 1GYqCe5p 短いですが、以上です。やっぱり書くのは難しかった。 何かお気づきの点があったら、ご指摘ください。 546 名前:527 ◆pzvVvkndz. [sage] 投稿日:2014/02/13(木) 17 41 08.81 ID 1GYqCe5p レスありがとうございます 続きは・・・書けるか分からんです 書けるだけ書いてみるつもりでいますが 一応酉つけて消えます
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/667.html
650 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22 30 54 ID OUg1/lco 流れブッタですいません ※非エロ ゆーちゃんとデートするだけ 「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」 鎮守府にU-511がやってきた。 それから数日後。 「どうだユー。もう日本には慣れた?」 「ドーモ。テイトク=サン」 「アイエエエエ!?」 信じて送り出したU-511が間違ったニポンゴを教え込まれるなんて…。 「……誰に習った?」 「勿論、センダイ=サンに」 「oh…案の定」 ALAS!U-511の日本理解は川内再び改善によって研修済みなのだ!サツバツ! そんなこんなで誤解を解く必要が生まれたある日のこと。 「えっ、じゃあアドミラルはニンジャではないの!?」 「まあ、中にはいるかもしれないけど俺の知る限りはいないよ」 「そうですか……」 なぜかしゅんとなるU-511。 「日本は思っていたより不思議な国です」 「そう……か?」 一応前よりは喋れるようになっているので川内もちゃんと教えてはいたようだが、時々謎の日本観が顔を覗かせる。 一体何を吹き込まれたのか、というより何をイメージしていたのか。 そんな事を考えている提督に、U-511がふとラジオを指しながら尋ねた。 「アドミラル。このラジオが言っているハナミ…って何ですか?」 ラジオのニュースは花見客でごった返す観光地からの中継が流れている。 「ああ、花見か。日本ではね、毎年桜が咲くとその桜の下で宴会をするんだ」 「桜が咲くのはそんなに珍しい事なの?」 「そういう訳じゃないんだがね。大昔は純粋に桜を愛でるものだったらしいけど、今じゃ『花より団子』なんて言って宴会の口実みたいになっているんだよ」 説明してみて、ふと提督は実物を見た方が早いような気がしてきた。 鎮守府の裏にも桜があった筈だ。 「折角だ。実物の桜を見に行こうか」 「うん。Danke!」 鎮守府の裏手は小高い丘になっており、頂上からは鎮守府と桜が一望できる。 「転びやすいから足元に気を付けてな」 提督に手を引かれ、U-511が後に続く。 舗装こそされてはいないものの人が歩けるような道があり5分も歩けばすぐ頂上とはいえ、山歩きに不慣れなU-511にはちょっとした冒険である。 いくつか段差をよじ登った時、不意に木の根に足を引っかけた。 「あっ!!」 「おっと」 先行する提督に抱きつくように倒れ、彼の両腕に抱きかかえられる。 「怪我は無いか?」 「びっくりした。Danke。アドミラル」 少し恥ずかしそうにそう言うと提督から離れたU-511だったが、二人の手は繋がれていた。 「もう少しだ。慣れないならこのまま行こうか」 「あの…、うん。Danke。アリガトウ……合ってる?」 にっこりと笑って頷く提督に、U-511の口元もほころんだ。 「アドミラルの手……大きい」 手を繋いだまま、また山道を歩き出す。 「さあ、着いたぞ」 それから少しして、提督が目前の景色を指して言った。 目の前には山頂の桜並木と、そこから一望できる海と鎮守府。 「おぉ……」 息をのんだまま固まっているU-511。 薄紅色の吹雪の中でそれに圧倒されていた。 「桜で嬉しくなるのも分かるだろう?」 「うん。桜、すごくきれい」 ひらりと舞った花弁が一枚、U-511の頭に舞い降りたが、彼女はそれに気付く様子もない。 「……でも、少し悲しい」 「悲しい?」 「桜散ってる。せっかくきれいに咲いたのに」 そう言って少し遠い目をする彼女に提督は何か言葉を掛けようとして、ふと思い出した。 船の頃の彼女が呂500として日本にいた時にも桜は咲いていたはずだ。 そして桜が散り終わる頃、ゼーロウ高地を突破したソ連軍はテルトウ運河に到達、ベルリン市街へと突入した。 また、それより少し前の4月15日、日本側からドイツに対し、残存するUボートを回航するよう打診したが、結局は実現しなかった。 1945年の桜が散るのとほぼ同期して、第三帝国―彼女の故郷は終わりに向かっていったのだ。 これらの逸話を彼女が知っていたかは定かではないが、もし知っていたとすれば、 桜が散るという事は彼女にとって特別な意味を持つのかもしれない。 迂闊な事は言えない。散るからこそ美しいというのは桜を愛でる上でもはや定型文ではあるが、 その言葉を彼女にぶつけるのは提督にもなんとなく躊躇われた。 「……俺より日本人だな。ユーは」 暫しの沈黙の後、提督が口を開いた。 「えっ?」 「桜が散るのを悲しいと捉えるのは『もののあわれ』という日本人独特のセンスだ」 「アドミラルは悲しくないの?」 不思議そうに振り返るU-511に提督は続ける。 「そりゃあ物悲しくも思うが、けどな、桜は何も儚く散るだけじゃない。 花はすぐに散ってしまうが、その後だれも見向きもしなくなってから葉が生い茂って実を結ぶ。儚く見えてその実しぶとくて強かな木だ」 そう言って近くの若木をぽんと触る。 「俺はそんなしぶとい桜が好きだ。……まあ、そんな愛で方をする奴は少ないだろうけどな」 再びしばし沈黙。 今度沈黙を破ったのはU-511だった。 「アリガトウ。アド…提督。ユーもしぶとい桜……好きです」 そう言ってにっこり笑ったU-511の頭に花弁がもう一枚、ひらりと舞い降りた。 「ヘイ!テートク!」 「金剛?来ていたのか」 桜の影からティーセットを持った金剛が顔を出した。 「折角の桜だからネ、たまにはお花見しながらティータイムデース!さあ、ユーも一緒に飲むネー!」 「ああどうも、恐縮です」 (また妙な所で日本人っぽくなってるな…) 金剛からティーカップを受け取った所で、不意にU-511の動きが止まる。 「ん……くちゅ!」 「オーウ!ユーは風邪ですカ?」 「花粉症か。ますます日本人になってきたな」 桜の舞う中、ささやかな花見が始まった。 U-511がさつき1号と名を変えるのは、これから数日後のことである。 終 653 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22 39 58 ID OUg1/lco 以上スレ汚し失礼しました ゆーちゃん→さつき1号→ろーちゃんで徐々に日本に順応していくとかそんな妄想 本当はろーちゃんの時報で提督が飲んでる第三のビールっぽい何かが実はイン尿プレーでというのを考えたけど俺には無理だった 654 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22 43 08 ID Fnv2iBsw 乙 ゆーちゃん可愛いけど、後書きで台無しだよw 655 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/09(木) 01 08 45 ID ctJavvoM 乙です しかしさすがにそれは人を選ぶ。後書きの没ネタ 656 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/09(木) 06 53 06 ID MbpCWLJE GJ! これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/98.html
前回の続き 「やー提督ー」 「お、北上か。ちょうどいいところに」 「ん? あたしに何か用事でもあったの?」 「いや、この間の事なんだけどな」 今言っているのは以前大井に北上から好意を向けられていると勘違いされた件だ。 「……本当にちゃんと説明したんだろうな」 「あーそれがさぁ」 ──────────────────────── 「あーいたいた大井っち。昨日のことなんだけどさぁ」 「きっ北上さん!? いいの!何も言わないで!!」 「大井っち?」 「わかってた……わかってたのよ私だって!!」 「あ~わかってたんならいいや」 ──────────────────────── 「って感じでわかってたらしいよ?」 「いや、それ絶対わかってないだろ」 「そうかな? なんかあったの?」 「遠征の旗艦に任命したら殺されそうな視線で睨まれてな」 「ほうほう」 「『私を遠ざけている間に北上さんを手篭めにするつもりね!?』とか泣き叫び始めてな」 「わーお」 「駆逐艦の連中がドン引きしてたぞ」 「災難だねぇ」 「いや、半分位お前のせいだろ」 「あははー、どうしたもんかねー」 「どうしたもんかねーってそれ俺のセリフだよ。とりあえず大井に寝首を掻かれるのは勘弁願いたいんだが」 「あたしもアブノーマルな趣味じゃないよーってことは言っておいたほうがいいよねぇ」 「どうしたもんかなぁ……」 しばらく二人で頭をひねる。 「お、そうだ」 北上がポンと手を打つ。 「なんか妙案でも思いついたか?」 「うん、あれだよ。あたしと提督が付き合っちゃえばいいんじゃない?」 「はぁ?」 「公認てことになればさすがに大井っちも自重するだろうし、あたしも変な誤解されずにすむしさ」 「いや、ていうかお前それでいいの?」 「ん? 別に嫌じゃないよ? ああ、提督が嫌だった?」 「いや、別に俺も嫌じゃないけどな」 「じゃあ、それでいいんじゃない?」 「なんだか微妙にコレジャナイ気がするんだが……まぁいいか」 かくして提督LOVE勢が発狂しそうな過程を経て北上と付き合うことになったのであった。 「で、付き合うことにしたわけだけどどうすんの?」 「どうすんのって言われてもなぁ」 恋人的な触れ合い…… ──────────────────────── 提督「ははは~待ってよマイハニ~」 北上「うふふ~捕まえてご覧なさい~」 ──────────────────────── 「ないわー」 「だよねー」 そもそ北上とイチャついているという画がイマイチ想像できない。 「やっぱり私の思っていた通りね!!」 その声と同時に反射的にしゃがんだ瞬間、頭のあった場所を砲弾が通りすぎる。 「あ、大井っちおかえりー」 「ちょっと待て、殺す気か」 「はい、まさか避けられるとは」 「あっさり肯定するな! っていうか予定より3時間くらい帰ってくるのが早いだろ」 「ええ、北上さんを提督の毒牙にかけさせないように全速力で往復してきましたから」 「全速力って……それ持ち帰った燃料分消費してるだろ」 大井の後ろで第六駆逐隊の面々が地面にへばって死にかけている。 「はい、北上さんの身の安全には変えられませんし」 「遠征の意味がねぇ……」 頭を抱えたところで北上が口を開く。 「あーそうそう、大井っち。あたし提督と付き合うことになったから」 「え!? い、いつの間に!?」 「えーと、5分くらい前?」 ピシッっという音ともに大井が石化する。 「だからさー大井っちも親友なら祝福して……って大井っち?」 「だめだこりゃ、完全に固まってる」 大井の目の前で手を振るが彼女は全く反応しない。 「しかたない、一息ついたらドックに放り込んどいてくれって……うわっ!?」 さっきまで息絶え絶えだった駆逐艦たちが目を輝かせたり潤ませたりしながら詰め寄ってくる。 「し、司令官と北上さん付き合ってたの!? ど、どこまでしたの!?」 「司令官もなかなかやるね」 「お、大人なのです……」 「グ、グスッ……あ、暁は一人前のレディなんだからそんなこと聞いて取り乱したりしないんだからっ!」 「いや、どこまでも何も5分前の出来事だと……」 「やっぱ駆逐艦うざいわー……」 「納 得 い き ま せ ん !!」 「うぉっ!? 意外と復活早かったな」 「北上さんの言葉は信じますが提督の言葉は全く信用できません!!」 「いや、そこまで言いきられるとさすがに傷つくんだが」 「ならばその証拠をここで示してみてください!!」 「いや、具体的には?」 「北上さんを本当に愛しているのなら魂の篭った言葉を私に見せてください!!」 「え、それでいいの?あーじゃあ『北上愛してるー(棒』」 「わーい(棒」 「全っ然ダメです!」 駆逐艦達がキャーキャー言う中あっさりとダメ出しされる。 「魂どころか気持ちの欠片も篭っていないじゃないですか!!」 「ああもう、めんどくさいな……北上ー好きだー!」 「全くなってません!!」 ────10分後 「そうだ! どうせ聞こえるなら、聞かせてやるさ! 北上! 好きだァー! 北上! 愛しているんだ! 北上ィー! 鎮守府に来る前から 好きだったんだ! (省略されました。全てを読むにはここをクリックしてください) 」 「クッ……」 「ゼーゼー……」 肩で息をしながらどこかで聞いたことのあるような長い上にこっ恥ずかしい告白セリフを言い終える。 「フッ……私の負けね……北上さん、提督はどうでもいいですけどあなたの幸せを祈っているわっ!!」 「ちょっと待て、あそこまで言わせておいてこっちはどうでもいいのか……」 走り去る大井を顔を真っ赤にして告白を聞いていた駆逐艦の面々が追いかけていく。 「はー……疲れた」 「あははー、お疲れ様。でもさー、さっきのはさすがに恥ずかしいかなー」 「言ってるこっちはもっと恥ずかしかったと思うぞ」 「まーそうだよねー」 「そうだよねって……わっ」 突然北上が胸のしがみついてくる。 「おい、北上?」 「まぁでも、ちょっと嬉しかったかな?」 そう言うと顔を上げて笑う。 (あれ、なんか可愛いぞ……っていうかコイツこんな顔も出来たんだな) 不意に見せられた北上の笑顔にドキっとしてしまう。 「まー誤解も解けたみたいだしめでたしめでたし。んじゃお礼」 「お礼?」 「そ、今度は唇にチューしてあげる」 「いいのか?」 「まぁ付き合ってるんだしいいんじゃない?」 「そっか」 流れに任せて北上に顔を近づけると北上が目を閉じる。 そのままこちらも目を閉じて柔らかな唇にこちらの唇を合わせる…… カシャッ! 「!?」 「青葉、見ちゃいました!!」 口付けの態勢のまま固まる、さすがに北上も固まっている。 「昼下がりの情事! 北上さんをめぐる提督と大井さんのドロドロの三角関係!! こ、これは大スクープですよ!?」 静かに顔を離し、笑顔を作って青葉に声をかける。 「青葉、お前これから解体な」 「20射線の酸素魚雷、2回いきますよー」 「えっ、ちょ、まっ……キャー!!」 そんなこんなでかろうじて青葉の口をふさぐことには成功したのだった。 北上と付き合うことになってから1ヶ月、特に変わったことはない。 最初のうちこそ結構な注目を浴び 大井はなんとか諦めてくれた変わりに何故かその他複数の艦娘から殺気を感じていたりもしたが 二人共特に何かするでもなくこれまで通りだったため、いつの間にか普段の日常に戻っている。 以前と変わった点といえば…… ガチャ 「おかえりー」 「おー、ただいまー」 ここ2週間くらい前からたまに北上が私室に勝手に入り浸っていることがあるくらいだ。 最初に見たときは部屋を間違えたのかと思ってかなり慌てたのだが 「何してんの」 「こっちの部屋の方がくつろげるし」 とのお言葉を頂戴した。 まぁ確かに仮にも提督の私室なのだから寮よりは広いし床も絨毯引きだ(寮はフローリング)。 「あんまりそういうの良くないんじゃね?」 「いーじゃん付き合ってるんだし」 と任務が終わった後とかに勝手にゴロゴロされている。 まぁこちらも着替えは更衣室で済ませるし 取られたり見られて困るようなものがあるわけでもないので面倒なので放置している。 重要書類なんかは執務室で施錠して保管しているので問題ないだろう。 そんなわけで帰ってきたら北上が部屋にいるのも慣れてしまっていた。 「そういや雑誌届いてなかったか?」 「あーこれ?」 「それそれ、って人の荷物を勝手に開けるな。しかも読むな」 「まーまー気にしない気にしない、っていうか提督もこういうの読むんだねぇ」 「いや、どういうのだよ」 「『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』」 「俺が読んでるのは連載されてる漫画だ」 「ああ、この『ファム痛クリアコミック GUNこれ』って奴?」 「そうそれ」 北上が読んでいる雑誌は定期購読している雑誌で内容は基本的にくだらないゴシップ誌なのだが 連載されている漫画が好きなので月一で送ってもらっている。 銃から転生した漢達の熱くもくだらない日常を描いた漫画だ、面白いぞ、本当だぞ。 「というわけだからそれをよこせ」 俺専用座椅子に座って北上に催促する。 「えー、あたしも今読みはじめたばっかなんだけど」 「そもそも俺が買った雑誌じゃないか」 「ん~、じゃあ一緒に読む?」 「まぁそれでもいいけど」 「ほい」 そう返事をして北上が近づいてきた。 ポフッ 「んじゃ読みますかー」 「おい、人を座椅子替わりにするな」 「仕方ないじゃん、座椅子それ一つしかないんだし」 人を背もたれにした北上が悠々と雑誌を開く。 北上は背も低く雑誌を読む分には特に問題はないので諦めることにした。 「おおっ、なんかわけわからない理由で争いが始まったんだけど?」 「一応史実ネタが入ってるらしいからそれなんだろ、詳しくは知らん」 そんなやりとりをしつつとりあえずGUNこれは読み終わった。 「じゃあ目当ては読み終わったからどいていいぞ」 「えー、こっちのほうが本読むのに楽なんだけど」 「ふてぶてしいなおい」 「まーまー、読み終わったらどくからさ」 「まぁたまには他の記事も読んでみるか……」 そんなこんなでどかなさそうなので一緒に記事を読むことにした。 「ん、どうかした?」 「いや、なんでもない」 (しかしやっぱつまらん記事が多いな……それにしてもちょっとマズイ) 記事がつまらないのは予想の上だったので特に問題はない。 問題なのは今更ながら気づいたこの態勢だった。 さっきまでは漫画に気を取られていたからいいのだが よくよく考えると思いっきり北上と体を密着させていた事に気づく。 しかも膝の上とかではなく文字通り密着しているため、股間の上にちょうど北上が座っていることになる。 記事がつまらないので余計に北上の体温やら体つきが気になってしまい さらに間の悪いことに最近処理していなかったせいで少しずつ股間に血が集まり始める。 (とりあえず我慢だ俺……我慢我慢) 読み終わればどいてくれるだろうから……そう思っていると北上の手が次のページをめくった。 『闇に隠された悲劇 艦娘へのセクハラ疑惑を追う!』 (おいぃぃ!?) 記事の内容はとある鎮守府で一際激しいセクハラを受けたという 匿名M型駆逐艦2番艦Kさんという艦娘へのインタビューだった。 ───ではKさん、普段の言動を曲解した提督が激しいセクハラを行ってきたと? K「はい『ああ、お前の言うとおり俺は好きモノだぞ? へっへっへ……いつでもいいんだろう?』 なんて言いながら毎日のように執務室で体中をまさぐられていました……」 ───執務室でですか!? 職場で取る行為とはとても思えませんね K「はい、でもそれだけじゃなくてドックでお休みしようとするとベッドの中に侵入してきたり」 ───公僕であるというのにそのような振る舞い、それ以前に人として言語道断ですね 具体的にはどのような行いを? K「はい、背後から太い魚雷(意味深)をグリグリ押し付けながら 逃げられないように押さえつけられて執拗にお尻を撫でながらそのまま指をずらして私の恥ずかしいところを(以下略)」 「提督ー……」 「……うん、言いたいことはわかる。すまん」 すっかり元気になった息子が北上のお尻、というかアソコのあたりをグリグリ押している。 なんでよりによってこのタイミングでこの記事に当たるんだろう。 「提督ってもしかして欲求不満だった?」 「まぁ……最近は少し」 隠してもしょうがないので正直に答える。 数秒間お互いに沈黙。 「あー……うん、あれだ。抱き枕のマネくらいならしてもいいよ」 そっぽを向きながら答える北上の好意に甘えて腰に手を回して少し強めに抱き寄せてみる。 テントが北上の下着と擦れ、下着と太もものあいだに位置を移動する。 ちょっとだけ北上の体がビクっとはねた。 「……北上?」 呼んでみるがどこか心ここにあらずという感じで雑誌を見つめている。 見てみると頬がほんのり赤く染まっている。 「北上」 もう一度呼ぶと体をビクッと反応させながらこっちを向いた。 「な、なにさ。ていと───ンっ」 振り向いた北上の唇を塞ぐ。 硬直する北上の体だが、片手で頭を撫でてやるとだんだん力が抜け始める。 唇を離すと数秒間惚けていた北上が抗議の言葉を口にする。 「提督ー……いきなりするとかちょっとずるいよ?」 「悪い、やたら可愛かったから」 「いや……あたしはその、可愛いとかいうガラじゃ……いや、嬉しいけどさ」 「嫌だったか?」 「いや……あ、そう言う意味じゃなくてその……嫌じゃなかったけどさ、ただ」 「ただ?」 「この態勢だと首が痛い」 「じゃ正面向くか?」 「……ん」 腕の力を抜くと体の上で器用に態勢を変えてこちらに抱きつく格好になる。 動きが落ち着くのを待ってからもう一度北上の体に手を回す。 「なぁ」 「ん?」 「続きがしたいって言ったら怒るか?」 「……別にいいよ……嫌じゃないし」 「そっか」 そう言いながらもう一度唇を塞ぎゆっくりと北上の口内に舌を入れていくと おずおずとした感じで北上の舌がそれを迎える。 「ん……ちゅっ……レロッ……ちゅぱ……」 北上の舌の感触を楽しみながら彼女の背中を優しく撫でつつその手がだんだんと下に降りてゆく。 (雑誌だとこんな感じだったか……) 北上の小ぶりな尻をそっと、だが執拗に撫で回す。 時折体を震わせているが特に抵抗しようとはしていない。 (次は……) 尻を撫で回していた手を止め、中指を下着の上から北上の割れ目に滑らせる。 北上の体がビクっと反応し、尻肉よりも柔らかでそして少し湿った感触を指先に感じる。 (やっぱりさっきので少し興奮してたのか) まぁ硬くなったものを押し付けられながらあんな記事読んでれば多少なりともこういう反応にはなるのかもしれない。 ゆっくりと焦らすような動きでしばらく割れ目をなぞっていると北上の腰が微妙に動き始める。 おそらく無意識の動きなのだろうが、まるでアソコを指にもっと押し付けようとしてるようだ。 (ではご期待にお答えして) 下着をずらしながら人差指と薬指で割れ目を広げ、既に愛液の染み出している柔肉の内部に中指の腹を擦り付けてやる。 「ッ────!!」 その瞬間北上が唇を離し、大きく体を仰け反らせる。 そのまま指に愛液を絡みつかせながら秘裂をゆっくりと往復させると 北上は崩れ落ちまいとこちらの首に手を回し顎を肩に乗せて必死に歯を食いしばる。 「ぁっ……くぁ……っふぁ……んんっ……!」 北上の髪の感触を頬に感じながら十分に愛液に塗れた指を肉芽に伸ばす。 丁寧に皮をむいて指先で刺激してやると腰が浮き、北上の口から懇願が漏れる。 「て……とく……そこ……ダ、ダメだっ……あうっ!!」 だが断る、と言わんばかりに小刻みな動きで責め続け ダメ押しに人差し指と中指で挟んだ瞬間。 ビクッビクッ! 北上の体が一際大きく跳ね、こちらの手を愛液で汚しながら脱力した。 「……あー、死ぬかと思った」 「悪い、やりすぎた気がしなくもない」 脱力した北上から聞こえてきた声にちょっと罪悪感を感じながら謝る。 「ホントだよ……って、わっ」 北上の視線を辿るとそこには先ほどより更に膨らみ、今にもズボンを突き破らんとする勢いのテントが立っていた。 あんな痴態を見せられたのだ、こうもなるだろう。 「えーと、とりあえずどうすればいいのかな」 「よければ手でして欲しいなー、とか」 「うー、仕方ないなー。まぁさっきの仕返しもしたいし」 そう言いながらチャックに手を伸ばす北上、多少手こずったが口を開けて取り出すことに成功する。 ブルンッ! 「うわ、グロッ!」 「グロいとか言うな、一般的にはこういう形のはずだ」 おそらく本物を生で初めて見た北上の感想にため息をつきながら答える。 「んで、コレどうすればいいの?」 「いや、つつくな(これはこれで気持ちいいが)。あれだ、手で握ってしごいてくれ」 「こんな感じ?」 ヌチャッという音とともに北上の手が肉棒を包む。 「なんかヌルヌルするんだけど」 「そういうもんだ、男も女も同じだろ」 そう言って北上の愛液に濡れた指を見せる。 ギュッ! 「イテッ! そんなに力入れるな、痛いだろ」 抗議するが北上はそっぽを向いたまま息子をしごいている。 顔が赤くなってるところからすると割とさっきのは恥ずかしかったらしい。 「じゃあ、仕返しとは言われたが黙ってやられるのもアレだから勝負な」 そう言って気を取り直し、愛液が滴っている北上の秘部に手を伸ばす。 「ヘっ? 勝負って……っ!!」 ツプッ……という音ともに指が一本北上の中に飲み込まれる。 既に充分濡れそぼっていたそこは指をゆっくりと飲み込んだ。 そのまま出し入れを開始する。 「ッ!……先にイッった方の負けな」 北上の手から与えられる刺激に耐えつつ指を前後させる。 ギュッ…… 北上を見ると空いた手でこちらの服をつかみ、目をつぶって顔を真っ赤にしながら指の刺激に耐え 必死に肉棒をしごいている。 (ヤバ……かわいい) 普段とのギャップのせいで更に肉棒が大きくなる。 (だが負けん!) 北上の手の温もりに耐えつつ肉壁の中を指で掻き、さらに指をもう一本追加してやる。 北上も断続的に腰を浮かせながら必死に肉棒をしごき お互い無言で喘ぎ声だけをあげながら相手に快感を与えるために手を動かす。 「……で、出る…!!」 「……くぅっ───!!」 指が性感帯を掻いた瞬間北上の手がギュッとカリを締め上げ 膣内から愛液が吹き出すのと同時に膨張した肉棒から勢いよく白濁液が放たれた。 お互い余韻に浸りながら荒い息を整える。 「う~ドロドロする~」 「そういうものなんだから仕方ないだろ」 精液で汚れた手を涙ながらに見る北上。 まぁ初めて見るものだから仕方ない、そう思ってると北上の視線が泳いでいることに気づく。 「どうした?」 「いや……その」 珍しく歯切れが悪い。 「最後まで……しないのかなーって」 ここまでしておいてなんだがさすがに無理やりするのは本意ではない。 「や……北上が嫌じゃなければしたいかなー……と」 「ま、まぁあたしも提督が嫌じゃなければいいんだけどさー……」 「それはない」 そう言いながら抱きしめる。 「わっ! ちょ! 提督、今汚いって!」 手についた精液のことを言っているのだろうが 「あぁ、明日洗濯に出すから大丈夫」 「そういうもん?」 「そういうもん」 一連の流れのあいだにここしばらく欲求不満だった分身は期待に胸をふくらませて復活している。 北上の腰を掴んで跨らせ、秘裂に先端をこすりつける。 「んっ……」 「とりあえずできるだけ力を抜け、こっちもなるべくゆっくりするから」 「うん」 そう言って腰を落としてくる北上の中に先端がぬるりと挿入されていく。 「っく……っつう……!」 やはり結構きついようだ、一旦そこで止めさせる。 「はぁっ……はぁっ……」 目尻に涙を貯めながら荒い息を吐く北上 多少快感を与えて体をほぐそう、と思い北上の上着(改二衣装)をまくり上げる。 「わっ!?」 驚く北上をよそに僅かな膨らみを優しく揉みほぐしながら先端に舌を滑らせる。 腕に固く尖っている乳首を味わうように吸い、歯で軽く挟んで舌で刺激してやる。 不意の刺激にビクビクと反応する北上に対し、ダメ押しとばかりにクリトリスに向かって空いた手を伸ばす。 「ん……ぁっ……! はい…って……くるっ……!」 力の抜けた北上の体がズブズブと肉棒を受け入れてゆく。 体重を支えきれずにそれを迎え入れた膣内の処女膜による抵抗もあっさりと放棄され、結合部から血が流れ出る。 そして先端に当たるトンっという感触が北上の奥まで到達したことを告げた。 「最後まで入ったぞ……」 「う…ん……す…ごい熱い……」 こちらにもたれかかってきた北上を慌てて支えてやる。 「少し……楽になってきた」 「じゃあ、ゆっくり動かすぞ」 「うん」 腰を掴むとゆっくりと持ち上げる。 表情からしてまだ苦痛の色が強いようだ。 きつく締め上げる膣内の刺激に抗いながらまたゆっくりと腰を沈めていく。 それを何回も繰り返す。 「提……督……」 「……なんだ?」 「結構……良くなって……きたかも」 何度も繰り返した抽送でそれなりに中がほぐれてきたらしい。 多少強めに突き入れてやると 「くぅっ……!」 明らかに今までよりもヌルっとした感触が返ってくる。 「これなら……いけるかな」 北上の腰を持ち上げるのではなく、自分の腰を振り始める。 正直既に限界寸前だった。 何度か強めに突き上げてやると腰の上に跨っている北上がしがみついてくる。 全身で抱きしめてくるその体を抱きしめ返してさらに何度も突き上げ、鈴口を子宮に強くこすりつける。 「クッ! イクぞ北上!!」 「あ…たしも……も……無理っ!!」 ギュウウっと北上の中が肉棒を締め上げ、その刺激に反応した先端から吐き出された白濁液が北上の中を満たす。 ブルルっと快楽の余韻に浸りながら、二人は数分間繋がったまま動かなかった。 「はぁ……疲れた」 「大丈夫だったか?」 「ま、まぁ最後の方はだいぶ大丈夫だったよ」 「そうか……ところで……」 「……マジで?」 「スマン」 「はー……仕方ないなー」 中で再び大きくなる肉棒を感じた北上は盛大にため息をつくのだった。 ────翌朝 「あー提督おはよー」 「あぁ、おはよう」 「あのさー」 「だいたい言いたいことはわかってる」 「盛りすぎ」 「ごめん」 結局あのあと正常位で一回バックで一回、最後にさすがにきつそうだったので素股で一回。 「割とかなり腰がだるいんだけど」 「うん、悪かった」 「とりあえず汗流したいんだけど」 「……部屋に備え付けの浴槽があって良かった」 「提督ー」 「いや、ほんとごめん」 全然良くなくて朝から2回戦突入、結果北上の腰大破。 汗は流したものの既に朝食の時間だ。 「まー仕方ないか、んじゃ連れてってよ」 「……まぁそうなるよな」 今回は許してもらえた、まぁその今度があるかどうかがこれから決まるわけだが。 北上をお姫様だっこして食堂についた瞬間、無数の視線が突き刺さる。 視線にも種類があって一々列挙していくとキリがない上に精神衛生上良くないので無表情で北上を席まで運ぶ 真向かいの大井から凄まじい殺気が迸っている気がするが必死に勇気を振り絞り北上を席に付かせる。 「やー助かったよー」 「いやーどういたしまして」 うまく笑えてるんだろうか、すごい不安だ。 「ねぇ北上さん」 「んーどうしたの?」 「なんでまた朝からこんな派手な登場するハメになったのかしら?」 嫌な汗が背中をつたう、返答しだいによっては多分この場でミンチにされる。 「あー寝坊して慌てて走ってたら提督に激突して足捻っちゃってさー それでお詫び兼ねて運んでもらったんだよ」 「(笑)あら、でも私が北上さん迎えに行ったら部屋にいなかったんだけど」 「あーだって提督の部屋で寝ちゃったからさー」 ザワ…ザワ… あーなんか呼吸することすら困難なくらい空気が固まってるんですケド 「提督の部屋にあった『GUNこれ』って漫画が面白くてさー。 部屋で読んでたらそのまま寝ちった」 「起こすの悪いと思ってそのままにして悪かった」 ナイスフォロー! これで辻褄は合う……はずだ。 「まぁ……とりあえずそういうことにしておいてあげますね提督?(笑)」 「お、おう」 こうしてさしあたっての命の危険は回避した。 命があるって素晴らしい、しばらくは控えよう。 「提督ー『今度から』はちゃんと考えてねー」 「わかってる『今度から』はちゃんと考えてする」 朝飯食い終わったあと、またお姫様だっこで部屋に戻るコイツの顔を見られなくなったらたまらんからな。 おわり
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/506.html
206 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2014/07/27(日) 05 32 36 ID 8zfMEpH2 ※賞味期限……今日のメンテまで 「賎しくも帝国海軍が戦艦の一艘に名を連ねていながら貴様、時報・放置ボイスの一つも考えておらんとはどういう了見だッ!」 「ああっ!」 唸る拳、響く悲鳴。すわ、さる重巡ばりの中破姿を晒すかと思われた榛名だったが、基準値七十mmを誇る装甲の金剛型戦艦三番艦には、悲しいかな大したものではなかった。しかし、人は時として感情が理性を押さえつけて思考を働かせる。 「指定の期限までに考えてこなかったならば、貴様、身の振り方を考えておくんだな!」 提督は床に倒れこむ榛名を、何か厭らしいものでも見るかのような目つきで睨んだ。吐き捨てる言葉を唱えるその同じ口が、つい先日まで、彼女の事を歎賞し褒めそやしていたとは、到底信じられなかった。 「姉さま!?」 足音高く、提督がそこから立ち去っていくのと入れ替わるように、姉妹艦の霧島が駆け寄ってきた。 ぶたれた(大して痛くない)頬を押さえ、項垂れる彼女の姉を、霧島は酷く不憫でいたわしく思った。この姉が、今までどれほど艦隊のために、そして、提督のために骨を折ってきたのか、それを思うと悔しさのあまりに涙が滲み、視界がかすみ、鼻水が躍り出るのだった。 「うっ……ずず、姉さま、どうして、こんな仕打ち……これではあんまりです……ずず」 「いいんです、霧島」 そんな霧島の頬をそっと押さえ、榛名は大きく息を吐くと、一度目を瞑った。 「全ては、わたしの至らなさから。でも、かくなる上は、完璧な時報と放置アピールを、やり遂げてみせます」 「姉ずま……」 「貴方も、力を貸してくれますか、霧島?」 「もちろんです!」 霧島の力強い返事を聞いて、榛名はその顔一杯にまで、にっこりとほほえんだ。 綺麗な笑みだった。そこには葛藤も悲しみもなく、ただただ透明で透き通るような、それはそういう笑顔だった。 霧島は姉のその笑顔が大好きで、だから、ふと、訊ねた。 「でも、姉さま。どうして、わたしの、時報の時に、一緒に考えてはおかなかったのですか?」 「――ああ?」 (寝ようとしたら榛名改二を知りました) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/632.html
868 :名無しの紳士提督:2015/01/27(火) 21 16 53 ID mjbcI8BU 艦娘「新たに鎮守府に着任した…なんで深海凄艦が!?」 提督「あ~彼女たちは害ないから安心していて」 加賀「秘書艦は譲れません!」 空母凄姫「提督ノ隣ハ譲レナイ!」 二人「(バチバチバチバチ)」 提督「ほっぽ、ひざ上に乗っていると仕事出来ないから、どいてくれ」 北方凄姫「ヤダ!提督!遊ベ!カマッテ!本読ンデ!」 提督「後でしてあげるから、いい子だから」 北方「イヤー!(駄々こね)」 提督「あ、こらレ級!俺のお菓子喰うな!」 レ級「エーイイジャナイ!ソノカワリ提督ガ私ヲ食ベレバイイジャナイカ(ドヤ」 提督「なんでそうなる」 駆逐凄姫「提督・・・月ガ綺麗デスネ」 提督「ああ、月見酒もいいけど、なんでひざ上にのっているのかね? 駆逐「温カイカラ提督ノ膝上ガ好キナンデス」 提督「まあいいか…」 ヲ級「ヲ、ヲヲヲヲヲ、ヲ」 提督「一緒に寝よう?書類たまっているからまた今度ね」 ヲ「ヲ…(シューン)」 港湾凄姫「(ムニムニ)」 提督「あの、港湾さん、なして胸を押し付けてくるの?」 港湾「コウスルト、提督ハ喜ブッテ聞イタ」 提督「いや、うれしいけど時と場所考えてね」 横島気質な為か深海凄艦達が屯する鎮守府とかありじゃね? これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/600.html
提督×加賀・あきつ丸15-326の続き 472 名前:クズ ◆MUB36kYJUE[] 投稿日:2014/12/23(火) 21 40 25 ID sZrbLobQ [1/18] 326からあきつ丸と加賀の修羅場を書いていた者です。後半を書き終えたので投下します。 あきつ丸一人称 提督がクズ 浮気 の要素を含むので苦手な方は注意をお願いします。 1 初めてキスをした時のことは、今でも記憶にはっきりしているのであります。まったく自分といえば酷い有様でありまして、涙も止 まらず、鼻もグズグズ。それなのに提督殿との睦みにも意識を向けねばならないのでありますから、もう苦しくて仕様がないのであり ました。心の片隅に望んでいたものが、突然降ってくるようにして手に入った。当時の罪の意識であるとか緊張なんてものは一切吹っ 飛んでいってしまって、まず何より幸福が享楽されたのであります。 心にわだかまる欲望にだけ意識を向けた、卑しいことこの上ない精神だったと自嘲もできましょう。しかし彼が、彼の方からキスを くださったという一つの事実が、自分の胸底をどうしようもないほどに熱くさせるのでありました。このまま死んでしまってもいいと、 恥ずかしながら本気に思ったほど。不貞のキスがあれほど、甘美に思考を蕩けさせる作用をするとは、まったく意想外でありました。 夜虫の声が煩い、晩夏のことであります。彼の吐息の狭間から、その音の耳朶にできた事は、何か奇妙な感覚でありました。夏の巡 ってくるたびに、夜具の中でジィー、ジィーという音を聞きますと、脳裏にはあの時の光景がぱっと燦爛するのであります。 不思議なのは、キスの終わった後のことをまったく記憶していないという事でありました。提督殿とどのように別れどのように部屋 に戻ったのか、一切思い出されない。モンタージュされたように、蒲団の中で肩を抱き安堵と興奮に胸をかき混ぜられていた。そういう 情景へ、直ぐ繋がってしまうのであります。その夜は眠ることもできず、今後どうすればいいのか真剣ぶって考えるばかりでありまし た。今にして思えば、滑稽であります。頭の中に感傷的な悲劇の虚像を再生し続ける。己が主人公なのでありますから、まったく痛々 しいことこの上ない。例えば加賀殿を刺して憲兵に捕まり、最終的には雷撃処分される展開だとか、或いは提督殿を刺してまた処分さ れるだとか。無論、どのようなストーリーの中途にも、彼と夜を共にするシーンは必須でありました。提督殿の口説き文句を想像して は、その悲痛さに胸を痛め枕を濡らしていたのであります。まったく救いようのない、愚かしい空想癖。墓場まで黙しておくべき痴態 であります。 事実、現実は劇的ではありませんでした。以来しばらく、提督殿と自分との間には、口をきくような機会さえないのであります。鎮 守府本棟の破壊されたお陰で、艦隊運用には幾ばくか制限が出てきたのでありました。とても夏の大規模作戦を継続できる力は無く、 遠征や近海の戦闘任務に注力せざるを得ない。自分はカ号の点検や大発の譲渡等をして過ごしておりましたから、必然的に彼と接するこ ともないのであります。 提督殿と加賀殿の仲は、あの夜伽をもって修復されたようでありました。秘書の任を委ねられ、また女房役を徹するのに昏いところ もない様子。流石にもう覗き見などという愚行を繰り返しはしませんでしたが、夜半部屋にて耳を澄ませていれば、大方そういった習 慣を察することは可能なのでありました。加賀殿一人の足音しか聞こえない日は、情交のなかった日。二足分の足音の過ぎた後、一足 分だけ帰ってゆく日は、つまりそういう日なのであります。毎夜部屋にて耳をそばだて、人の同衾について思いを廻らす。罪悪感がな かったかと言えば当然否でありますが、しかし一度そのことに気が付いて以来、あのぎぃぎぃという足音を耳朶にしないことには寝付 けなくなってしまったのでありました。そして二足の音が聞こえた日には、何か自分の心根が切なくなってならなかったのであります。 当時のその感情の根源は、寂しさではないような気がします。ただ普段通りになっただけなのでありますから、なんということもな いはず。自分には背徳の悦を享楽しにゆく勇気など、からっきし無かったのであります。だからこそ直接提督殿に真意を聞くこともし ませんで、聞こえてくる足音だけで満足できたのでありました。 ふとしたら、あの夜のキスは夢であったのだと、そう思われるほどでありました。日の過ぎて行くほどに、感触の残滓は薄らいでゆ きます。体温も思い出せない。味も、慰撫された快楽も、水の蒸発して行くように段々と消え果ててゆくのであります。 口惜しさと同じくらいに安堵も感ぜられました。このまま幻ということにしておけば、道を違わずに済むのであります。自分の欲求 によって、提督殿に無用な心労をお掛けするのは心苦しいのであります。我慢をしてさえいれば、全て丸く収まるのだから、これほど 簡単なこともない。しかし、例えば提督殿のふとした反応。廊下をすれ違うとき苦しげに眉を顰めるだとか、露骨に自分から離れよう としたりだとか。あのキスが現実のものであったという証の所作を目にすると、また自分も、意識をせずにはいられないのでありまし た。度し難いことに、心緒は喜びに震える。彼がまだ自分を気に掛けてくれているのだと、勝手な解釈が先走って、胸底の火は勢いを増 す。 一ヶ月ほども過ぎた、ある夜のことであります。自分といえばすっかり習慣になってしまったあの耳を澄ます行為に没頭し、もうそ の頃には床板の響き具合によって幾らか感情の機微も察せるほどでありました。 加賀殿は最初トントントンという、きちんと地に足を突きつけるような音をしておりましたが、今ではトットットという具合に少々 軽い響き。一次関数グラフのように、日に日に決まった割合で軽やかになっていった風なのであります。あくまで予想ではありますが、 一度地に落ちた幸福度が一ヶ月の内に回復していったという証左なのではないでしょうか。もっと早くにこの習慣を始めていれば予測も 裏付けられたのでありましょうが、現状、事実は本人にしか知り得ないことであります。 提督殿はと言いますと、二日三日に一回耳にするだけでありますから加賀殿ほど正確には分からないのでありますが……最初ギシギ シ歪で不安定な音。それから段々テクテクと普通になっていったのでありますが、近頃は初期よりももっと酷く、ギリギリギリといっ た具合であります。グラフにすると上に凸の曲線であります。耳にするだけで、なにかハラハラと落ち着かなくなる、不安を煽られる 音でありました。 無論、日によってはこの流れに当てはまらない時もありました。ドシドシと機嫌の悪い音。カツカツ逸る気持ちの顕れた音。ただ大 方の心緒の動向というのは、先述の通りなのであります。加賀殿は一向良くなるばかりなのに、提督殿は急速落ちてゆく。その背反は どこか、自分には危うげに思われてならなかったのでありました。 その日の提督殿は、またいつにも増して酷い足音でありました。トットット、軽く跳ねる響きに被せて、ギリリギリリと不安定に過 ぎる音が鳴ります。皆はよくこんな危殆なる音の中眠りにつけるなと、壁の向こうを思うほどでありました。自分が敏感過ぎるだけで ありましょうが、ただならない、心臓の苦しい心地。 加賀殿の過ぎ去った後しばらく経ってから、独り廊下を戻る足音が大きくなってゆきます。毎回、彼の去るときには得体の知れない焦燥 に駆られるのでありました。早く過ぎ去ってと心の中に唱え続け、足音の小さくなってゆくに比例して安堵の気持ちがじんわりと溢れ てくる。 しかしその夜の足音は、自分の部屋の前にてぷつり、途絶えたのでありました。 息を飲むであるとか、身を固くするであるとか。如何様な言葉よりも深刻であります。部屋のノックされた時には、意識の埒外に小 さく叫び声をあげてしまったほど。一体どうしようか、どうすればいいのか思惟はぐるぐる廻るのでありますが、ついぞ答えの纏まる ことはない。二回目のノックがあり、自分は半ば反射によって戸を開けに立つのでありました。 恐る恐る開けてゆきますと、まず甘ったるい酒の匂いが鼻につくのでありました。思わず顔に手を持っていってしまった為に、 「ごめん、臭うか」 挨拶より先、彼には謝罪の言葉をつかせてしまったのでありました。 咄嗟の返答が思いつかない。当時の自分は恐慌の渦中にあった故、ただ用意していた言葉を吐くことしかできないのでありました。 「なにか、ご用でありますか」 言い放ってしまった後から、その文言の険しさ、タイミングの悪さを認識したのであります。恐らくは顰めた面のまま、かすれた小 声に吐き出しました。これでは誤解されても仕様が無い、いや寧ろ歓迎されていないと認識するのが普通でありましょう。気遣い屋の 提督殿でありますから、例に漏れず一歩後ずさり、 「すまない。邪魔した」 目を逸らして踵を返そうとしたのでありました。 「中で話を聞くのであります」 どう言い繕うか悩んだ末ようやく吐き出せた言葉は何か仰々しく、可笑しな響きを含んでいます。咄嗟に掴んだ彼の左手は余りに細 く、まるで竹のようでありました。骨折の固定具を外してまだ間もない頃であります。またすぐぽきりと折れてしまいそうな感触にぎ ょっとして、すぐぱっと手を離したのでありました。 部屋に招き入れると、それからじんわりと危機感が沸いてくるようでありました。一度キスを果たした仲において、ベッドのある空 間に二人きりでいるということ。それを意識して、何か今更どぎまぎしてならなくなったのであります。 大方歓迎していないというわけではないと察したらしい提督殿は、座卓の前にあぐらをかくと、 「酒豪に付きあわされると、ねぇ。……厭だね。もう頭が痛くなり始めた」 ベッドの淵に腰掛けた自分へ、そう話しかけるのでありました。 「なら、早く部屋に帰って寝たほうがいいのでは……」 「酔っ払うと無性に寂しくなることってない? 兎角今は、独りは厭だ」 彼の言った寂しいという語が、自分には特異な意味を持っている風に聞こえたのでありました。無用な憶測が馳騁して、さっと顔が 強張る。提督殿は目ざとくそれを認めると、 「慰めろなんて言わんよ。少し話し相手になってくれればそれで」 はにかみ言い繕うのでありました。 癪に触る物言いだと感ぜられたのは、勝手でありましょうか。自分とて覚悟の無いまま部屋に上げたわけではありますが、加賀殿を 抱いたその足に別の女の部屋に立ち寄って、挙句「慰めなくていい」ときた。もう提督殿はあの時のキスを忘れてしまったのかと、独 り沈鬱してしまったのであります。 「なんで避けていたのでありますか」 怒りの心緒が、そう口火を切らせました。いや正確に言うならば、怒らなければならないといった打算が表に出たのであります。 「そんなつもり、ないけど」 「嘘であります。自分、何度も話しかけようとしたのに結局今の今まで一言も口を利けなかったのであります」 「めぐり合わせが悪かっただけ」 「ならなんで今日に限ってわざわざ会いに来たのでありますか」 「だから、酔ってて。このままプレハブに帰るのも厭だから……」 「……質問を変えるのであります。なんであの時キスしたのでありますか」 提督殿は気まずげに顔を背けたまま、口ごもるのでありました。この局面において逃避などできるわけもなく。何時かは話さなけれ ばならないのでありますから、自分はただ黙って彼の言葉を待つばかりでありました。 正直に告白いたしますと、弱い立場の者を追い立てる、嗜虐の愉悦を享楽していたのであります。無論先行していたのは怒りと不安 でありますが、どこか心緒の片隅には溜飲下がる思いがくすぶっておりました。浮気するからそうなるんだと、伴侶の立場にないと言 えないような台詞を心の中に唱えていたのであります。 長い沈黙の後、彼のようやく放った言葉は、胸に燻る怒りの火を増大させるものでありました。 「すまない」 謝罪とは即ち悔悟でありますから、提督殿はあの時のキスを後悔しているわけなのであります。それを認知すると、堪らない屈辱に 目の前が真っ赤になる。 「謝るくらいなら、最初からしなければいいではありませんか」 まだ声を絞るほどの理性は残っていたのであります。しかし、ふと気を緩めれば彼の頬に平手を喰らわせたい衝動に身を支配されてしまうことでありましょう。感情を静謐にするには、労をとったのでありました。 「あの時は、荒れていた。ちょっとどうにかしていたんだ。すまない」 提督殿は、苦しげに言う。おそらくはこの先どう追求されるか分かった上で、尚言いのけたのでありましょう。自分も、彼の予測通りの言葉を吐かずにはおれませんでした。 「そんな程度の心持ちで自分のファーストキスを奪ったのでありますか」 「……あぁ」 「最低でありますな」 謗れば謗るだけ、また自分も惨めになるのであります。結局加賀殿に向けらているような感情を、自分は得ることができないのであ りました。 一分ほど沈黙が続きました。重苦しい空気に耐えられなくなったか、彼は腰を上げて早足にドアに向かうのでありました。 「すまない。帰るよ。……邪魔したな」 「待つであります」 咎める声音を作って言えば、流石に提督殿も逃亡しようとはしませんでした。ベッドを離れた自分は、彼の竹のような手を取って身 を寄せたのでありました。 「もう一度。キス、しなくちゃ、帰さないのであります」 今にして思えば、気障に過ぎる台詞であります。しかしまた、かなり効力のある言葉であることも自覚しているのでありました。彼 の罪悪感に滑り込んで、自分の欲求を満たそうというのです。 逡巡に目を泳がせた提督殿は、それでも優しく唇をくれるのでありました。 2 以来彼は伽のあった日には、自分の部屋に立ち寄るようになったのであります。少しだけ話をして、キスをして、帰る。そのような 習慣が生まれたのでありました。 自惚れ、ではないと思うのですが、幾ばくか彼の足音も快調になっていったように思われます。変に疲れた顔をすることもなくなり、 またこれは当然でありますが、自分を避けることもなくなりました。依然として憂いは払拭できずとも、その精神に、張りつめたとこ ろはなくなったはずなのであります。自分のおかげだと胸を張る気はありませんが、このキスの習慣が何かしら彼の心緒に影響を与え ていたことは、一つ確かな事実であります。 それからどれほど過ぎたか記憶にはっきりしないのですが、作業に流した汗が風に当たると冷え冷えする、そんな時分のこと。 カ号の定期整備のために工廠にて作業を進めておりますと、入り口にて自分を呼ぶ声があったのであります。集中しすぎていたので ありましょう。意識が引きずり戻されたかのような感覚がありまして、ふと顔を上げれば紅に光る海の稜線が厭に眩しかったのであり ます。 自分を呼んだ者の姿は逆光によって影となり顔は判然とはしませんでしたが、その声色から誰がやって来たのか察することはできま した。入り口に近づけば、ついに佇立する提督殿、その姿がはっきりと視界に収まります。 「今、暇?」 片手を挙げつつ、彼はそう話しかけてくるのでありました。 「提督殿こそ、今暇ではないはずなのであります」 「休憩時間中の外出は認められている。暇でしょ? 散歩に付き合ってくれたまえよ」 「加賀殿を誘えばいいではありませんか」 何となしに発したこの言葉は、何か彼の心に波風立てたようでありました。 「ウッ、む。……それはそうかもだけどね」 目を泳がせながら、訥弁に誤魔化す。そもそも今まで彼が自分を散歩に誘った事などないのでありますから、つまり疚しい何かを抱 えているわけなのでありました。 このお誘い自体はとても嬉しかったのであります。ですが流石に自分も、背景の不透明な状況において不貞の逢瀬を楽しめるほど、 剛の者ではないのであります。 断りの言葉を吐くより先、それを察したか、彼は手を掴むと自分を無理やりに引っ張ってゆく。 「離すであります!」 抗議の声を上げるとすかさずに、 「そんなに厭か」 苦笑交じりに言うのでありました。本心から厭に思っていないというのは先述の通り。故に自分もこの問いかけには黙して答えるし かないのでありました。 結局、十間も歩けば諦観の内に追従を余儀なくされるわけであります。提督殿も自分が抵抗の意思を無くしたと見るや、手をすぐ離 すのでありました。まぁ落ち着いて考えればただ歩いて話すだけなのでありますから、何も問題は無いはず。不貞を犯したその現場自 体を押さえられるわけではない。そう楽観したのは、今にして思えば過ちでありました。 食堂前の自販機で適当な飲み物を購入します。提督殿のおごりで自分は冷えた紅茶を、提督殿自身はマックスコーヒーでありました。 どういう意図かはわかりませんが、彼は自分に普通の恋人同士のような睦みを求めているように思えたのでありました。 「地元じゃよく飲んでたんだ。まさか西じゃ馴染みのないものだったなんて思わなかったね。……最近販売域広がったから入荷させ た」 彼は手持ちの缶をゆらゆらと揺らす。原色の黄色が毒々しく、何か言い知れぬ不安をかき立てられるパッケージでありました。 物珍しさにじっと見つめておりますと、 「飲んでみる?」 そう小首を傾げられました。 提督殿が差し出した物でありますから無碍にできるはずもなく、また好奇心もあった故、一口飲んでみることにしたのであります。周 りに人がいないか確認した後、急ぎ缶を傾けてみますと、じっとりぬめる液体が舌に猛烈な甘さを叩き込みつつ、喉奥の方へじわじわ 浸透してゆくようでありました。 余りに予想とかけ離れた味であります。まるで練乳をそのまま飲んでいるかのようでありまして、堪らずせき込んでしまう。提督殿 は自分のそんな醜態を眺めると、けらけら哄笑するのでありました。 「おいしくなかった?」 「よくこんな甘ったるいだけの飲み物、口にできますな」 乱れた呼吸に缶を突き返せば、反省の色も無く飄々と弁解されるのでありました。 「ちょっと温くなっちゃったからね。熱々ならまだましなんだけど」 辺りを凪いだ秋風が、ふとした沈黙を運んでくる。紅茶で口直しをしつつ、急に黙った彼を伺い見てみると、なにやら仔細顔に思惟 を廻らしている様子。 「どうかしたのでありますか」 そう聞きますと、彼は顔を向けて怪しく微笑むのでありました。 何か危殆な気配を覚えたのであります。一歩後ずされば、提督殿も一歩距離を詰めてくる。彼は手にしたマックスコーヒーを煽ると、 身構える暇を与えもせずに口づけてくるのでありました。 無理やり割って入ってくる舌が、あの凶悪な液を流し込んできます。口の端から一筋こぼれ出てきても、彼は一向勢いを緩めず、つ いには口の中を空っぽにしてしまったのでしょう。ただ口を口で塞ぎ、嚥下を促すばかりになりました。 人に見られてはならない状況であります。しかしそういった緊張が口腔内に広がる生々しい甘さと作用して、もうクラクラ目眩を覚 えるほどでありました。早く飲み込んでしまおうと思っても、中々喉は動いてくれない。こくこくと小さく、数十秒も使ってようやく 口を空にすると、彼の舌が確かめるように中を一巡舐めて、それからようやく解放されたのでありました。 目の奥が気持ち悪いような感覚でありました。胃に下されてしまった糖分が、頭を苛むのであります。顔を上げ、得意そうな彼の表 情を見て、半ば反射的に手を上げかけたのでありますが、さっとよぎったある思い出の虚像が腕の動きを止めました。 連合艦隊旗艦に据えられた時のものであります。提督殿が見せつけた加賀殿との睦み。彼女のした行動を、今自分はなぞろうとした わけなのでありました。妾に墜ちかけた身にありながら、彼の伴侶たる加賀殿と同じ事をする。何かそれがはばかられるべき悪行に思 え、またそういった権利も無いように感ぜられたのでありました。 一番口惜しいのは、自分のこの刹那の揺らぎを彼に察せられてしまった事であります。提督殿は口角を上げたまま、 「叩けばいい。抵抗しないよ」 そうのたまうのでありました。 「そうやって、かっこつけてればいいのであります」 自分にできたのは、この程度の非難を言ちる程度であります。 頭を撫でられ、その流れで抱きすくめられてしまう。無論身をよじって抵抗するのでありましたが、背をさする左手が羞恥や危機感 を吸い上げるようで、十秒も経たない内に諦観の心地となるのでありました。あの竹の手は視界に入れた者体に触れた者を、悉く悲哀 に染め上げるようであります。 何か急に惨めに思われました。ただキスだけを重ねてきただけの我が身が、哀しいほどに浅ましく思われたのであります。加賀殿に 追いつくことはできないという今更の事実が、裂くような痛みを伴って胸に馳騁する。 提督殿を馬鹿にできない情緒不安定さであります。気が付けば自分は、目の端から涙をぼろぼろと零しているのでありました。 「どうした?」 目を見開き聞く彼に、何も答えることはできません。何せ自分でも何が何やらといった心持ちなのであります。 彼の指が涙を拭い、再三のキスをされる。口惜く、羞恥を覚え、また危機感もある。怒りも、厭悪もあって、されど深層の心緒は悦 びに震え、また慰みに和らげられていたのでもありました。彼の舌が自分の舌を慰撫すると、むつかしい感情はたちどころに甘く蕩け ていくようであります。 3 その夜、加賀殿の足音が何時になく荒々しかったことに、自分は背筋を凍えさせたのでありました。それは驚懼というよりも、想定 していた中で最も悪い展開になってしまったという、悔恨にも似た感情であります。 今にして思えば、提督殿がわざと加賀殿に見せ付けたのではないかとも考えられるのでありますが、今更真相を問えるわけも無く。 兎角当時の自分は、現代にタイムマシンの無い事をひたすら怨むばかりなのでありました。……死さえ覚悟していたのであります。何時 ぞやに、彼女に刺されて死ぬ空想をしていたものでありましたが、もうその事に羞恥や痛々しさを感じる余裕も無い。どうにか対策せね ばと思惟を廻らすのでありました。 まさか馬鹿正直に謝るわけにもまいりません。到底許されるはずがないのであります。その日は眠れず、そして結論を得られるわけ も無く、暁の紅を目にした時には半ば絶望的な心持でありました。 恐らく、同じ負の方向に傾いた感情を有していたために、行動も似てしまったのだと思います。朝、食堂に向かう前にトイレに赴く と、目を真っ赤に腫らした加賀殿と鉢合わせしてしまったのでありました。 お互いに目を見開き、そして沈黙したまま挨拶もできない。硬直した体躯の足元を、じっとりと時間が過ぎてゆくのでありました。 結局そのまま何も言葉を交わさなかった事が、自分の不貞を覗き見られたという何よりの証拠となりました。苦々しげな表情のまま、彼 女は自分の脇を通り抜けて行ったのであります。 上がった心拍が落ち着きを取り戻すことはありませんでした。自分の部屋の中にいる時でさえ、何か睨みつけられているような気に なるのでありました。膝を付き合わせた対話の機会でもあれば、この強迫観念はたちまち具体的な恐怖に取って代わっていたのでもあ りましょうが、実際にはこのトイレでの面会以後、しばらく顔さえ見ない日が続くのであります。進展があったのは、四日後。 あの足音は日の経つごとに荒々しく、また病的な不気味さを湛えてゆく。提督殿との逢瀬もなくなり、いやそもそも彼が廊下を歩く 音はあのマックスコーヒーのキス以来ぱたり聞こえなくなったのであります。 加賀殿も、或いは浮気を黙認しようとしたのやもしれません。表面上はいつもと変わりなく、ただ彼と自分とだけが察す事のできる 不調を抱えているわけなのでありました。 彼のためとなるならば自身の思いは封殺する。そういった献身について理解の無い自分ではありませんし、もし逆の立場であったな らば自分もそうしようとしたのでありましょう。ただ問題なのは、つまり自分が陸軍艦であり、またミッドウェーにおいて彼女の矜持 を著しく傷つけた、その元凶であったということであります。自分は毛頭その気はないのでありますが、彼女からすれば一時といえ旗 艦の座を奪い、挙句今度は彼を奪おうというのであります。忍耐なぞ、そう長く継続するわけはないのでありました。 毎夜ベッドの中にてビクビク身を震わせていた自分は、とうとうその音を耳朶にしてしまったのでありました。決して衝動的、感情 的なドタドタという音ではありません。ギッシ、ギッシ。厭にゆったりとした、それでいて何時もよりはっきりと響く幽鬼のような音 であります。一歩ずつ近づいてくるたび比例して背筋の痛くなってゆくほどの、冷たい覇気を放っている。 どうか通り過ぎてくれと心の中に唱え続けたのであります。甲斐あってか、その夜は対面せずに済んだのでありますが、自分の部屋 の前で一度ぴたりと足音の止んだ時などはもう生きた心地がしなかったのでありました。 彼女の過ぎ去ったおよそ三十分の後、再び足音が聞こえてくる。もうどんな響きであったかは言いますまい。提督殿は躊躇いの間を 充分に開けてから、戸をノックするのでありました。 その顔色は青白く、しかし表情は寧ろ軽いものでありました。もうこれ以上落ちることはないといった後ろ向きの安堵が、彼の憑き 物を落とした風なのであります。 「よく来れましたな」 自分は先ず開口一番にそう言ったのであります。皮肉でも嫌味でもなく、もっと純粋な感想でありました。提督殿は諦観の微笑をも ってして応え、無言の内に部屋に入る。もう、断りをいれないほどに慣れていたわけなのでありました。 いつも通り自分はベッドに腰掛け、彼は円卓の前に胡坐をかく。提督殿は卓の埃を手で払ってから、視線も寄こさずに口を開く。 「お前を抱いたと加賀に言ったよ」 一体自分は、その言葉をどのように受け取ればよかったのでありましょうか。喜べばよかったのか厭悪すればよかったのか。その時 の自分は、何か彼に憐憫の情を抱いたのでありました。先述の“後ろ向きの安堵”を得たいが為に、自分から自分の首を絞めにゆく。 しかもそういった行為に救いを幻視しているらしいことが、益々惨めに思えたのであります。 何故嘘をついたのかなどとは聞けません。不貞を犯したとて体を重ねてさえいなければ、その罪は軽くなるのでありましょうか。無論、 この問いの答えは否であります。妻帯者に恋慕を抱く時点で、それは同等の罪なのであります。ましてや幾重にも接吻を重ねた身、懺 悔さえ許されない立場にあることは自明と思われる。 故に自分は、ただ彼を励ますばかりなのでありました。 「滑車でありますな。提督殿は」 「滑車?」 「ずっとひたすら同じところをぐるぐるぐるぐる悩んでいるのであります。前に進むこともせず」 「うん」 彼は苦々しく、眉を顰める。 追い詰められた者が即物的快楽を求めるというのは、感情を持つ生き物の共通する悪癖なのでありましょう。自分は寝巻きの上着を はだけさせ、彼を手招くのでありました。 「嘘をつくのは、よくない事でありますな」 何とか羞恥を押さえ込み、気障ったらしく、誘惑の言葉を吐く事に成功したのであります。彼は諦観の微笑を持って、自分を褥に押し倒 すのでありました。 キスには慣れていたはずなのでありますが、天地の感覚の差異というのは中々に捉えづらいものでありまして、唇の端から唾液の零れ 出てゆく度、口惜しさに胸を焼かれるようでありました。意外だったのは、彼が白磁の陶器を取り扱うように自分を愛撫する事であり ます。初めてだったので、気を遣うのももっともではあったのです。しかし以前覗き見た彼と加賀殿との行為がまだ頭にはくっきりと 残っていたので、普通に優しくされるという事へ漠然とした疑問を抱いてしまうのであります。無論それについて不満を抱きはしませ んでした。安堵しましたし、嬉しくもあったのであります。 提督殿は体勢の窮屈さを意にも返さない手際の良さにて、するする服を脱がしてゆく。とうとう身に覆うものが無くなってしまうと、 差し迫った恥ずかしさに息も切なく、自分は目をぎゅっと閉じて逼迫した心緒の痛みをひたすら耐えるのみとなりました。 彼の接吻が鎖骨や首筋を撫ぜる度、自分の吐息の熱っぽさを自覚して、またそれが羞恥を掻き立てるのでありました。漏れ出そうと する恥ずかしい声を必死に肺腑へ押し戻していれば、提督殿は目ざとくその意図を察して意地悪をしてくるのであります。突然に腰へ 手を伸ばしたり、果ては同じ場所へ口付けてこようとするのでありますから、自分はもう堪えられない。 実況やら焦らしやらにて散々に嬲られ尽くされ、もう思惟も霞だち始めた頃合、ようやく提督殿は段階を押し進めたのでありました。 幾ら総身が悦楽に蕩けていたといえ痛みは烈々と差し迫り、刹那のうちに意識もはっきりとしたのであります。 自分が痛みに鈍感であったのならば、どんなにかよかった事でありましょうか。それはただ熱く自身を貫くそれが、耐えがたいほど に辛かったという訳なのではありません。ふわふわとした多幸感から急速に引き戻された思考の中、つい見てしまった彼の瞳。虚ろに 濁るそれが映していたものは、決して自分の泣き顔などでは無かったのであります。慣れ親しんだ加賀殿の、緩び媚びた表情を幻視し ているに違いありませんでした。 明確な根拠などはありません。ただ、克明に感じ取ったのであります。自分は慰めの道具として必要に思われているに過ぎず、提督 殿の想いは常に加賀殿と寄り添っていたのであります。重ねてきたキスも今の繋がりも、仮初の戯れ事。自分にとっては重要な事なの であったのだとしても、提督殿も同じ感慨を抱いているのかと言えばそんなことはない。 心の痛めば痛むほど、つまりそれが自分の浅ましさであります。抱くべきでない期待を勝手に抱き、叶うわけのない願いを夢想して、 それらが瓦解してゆく事に悲痛を覚えているのでありました。涙の滂沱とするその理由が彼に伝わらない悲哀というのは、しかし相応 しい罰なのでもありましょう。彼の精を迎え入れ、腹底の温かくなるのに比例して、虚しさも増大してゆく。キスをせがめば応えてく れるのではありましたが、果たしてそれは自分の望んでいたものとは少し形の違うもののようでありました。 4 朝、隣に眠る彼の顔を見、何かまた悲しくなって涙が目尻を滑り降りる。昂ぶりの冷めた寂寞が、下腹の痛みをより苛ませるような 感覚でありました。時計を見ればもう四時半をまわったところ。起床時刻は六時でありましたので、二度寝してしまうのも不安なので あります。まさか艦娘のがやがや群がる廊下を帰らせるわけにもいかないわけでありました。 身を起こし、彼の肩を揺すぶると規則的な寝息がぴたりと止む。倦怠な様子に瞼を持ち上げた提督殿は自分の姿に焦点を合わし、途 端むつかしい表情をとるのでありました。 「もう、帰った方がいいのであります」 ベッドから抜け出そうと身をよじるも、しかし彼の左腕が手首を掴みそのままかくんと引っ張ってくる。体勢を崩され、自分は堪ら ず彼の胸にしなだれます。髪を梳かれ頬を撫ぜられ、その心地よさに思わず瞼を閉じかけたのでありますが、ある思惟が頭をよぎった 為にされるがままである事へ反発したくなったのでありました。つまりこんな恋人同士にするような睦みなど、ただただ虚しいだけな のであります。 掛け布団を剥ぎ腕の範囲から離脱すれば、提督殿も渋々起き上がってくれるのでありました。暫時気だるい沈黙が流れ、不安と、そ の不安自体無価値なものであるという諦観の感とが胸の内に充溢してゆくのでありました。ゆったりとした絶望の心地が堪えきれないほ どに膨張して、 「これからどうしてゆけばいいのでありましょうか」 思わずそう泣き言を言ちると、彼は頭を撫でるだけ、依然黙したままであります。 最後に軽く触れ合うだけのキスをして、提督殿は立つのでありました。戸口にまで近づいた段にて、 「また、来てくれますか」 そう問うた自分は、その言の葉の言い終わる前より自己嫌悪に苛まれていたのであります。果たして薄弱な意思を抱えた首肯はそれ でも幾らか自分を励ましてくれました。来るべき対話の時へ、改めて覚悟を定めたのであります。 朝食の後、変に間のある自由時間。何をするでもなく部屋にてベッドに横たわると、彼の香りの残滓が鼻腔をくすぐるのでありまし た。静謐を取り戻した心は、幸福を享楽するのであります。長閑は自身の欲望を宥めてくれて、そしてその菩薩のような無欲の境地に おいては、慕情の根源。つまり献身の念が表にたつのでありました。 彼が求めてくれる限り、自分もまたそれに応じよう。いつか彼が自身の疾患を克服して、自分を必要としない時が来るように。未来の 為に、心の痛みを捧げよう。穏やかな心緒にそう思いを決めたのでありました。 どれほどか経ち、戸をノックする者がある。誰かは分かっております。恐怖も焦燥も無いのでありました。自分は彼女を部屋の中へと 招き、円卓を挟んで対面したのであります。 加賀殿は真っ赤に腫らした眼に自分を睨みつけると、怒りを隠そうともせず険しく口火を切りました。 「どういうつもりなのかしら」 「それは、提督殿に聞いて欲しいことでありますな」 挑発の言を間髪入れずに発すると、しかし加賀殿は下唇を噛んで堪えたようであります。溜息一つ、大仰に吐き切り、拳を握りこんで から一寸身を乗り出します。 「認めるのね」 「何を、でありますか」 「あなたは、提督を誑かした」 「……はて? なんのことか」 「もう全て彼から聞きました。今更、誤魔化そうとしないでもらえるかしら。……事実確認のためにここに来たのではないわ。これ 以上私の提督を貶めるなら、私はあなたに容赦しない。それを伝えにきただけ」 そういった物言いだから気まぐれも起こしたのでしょうにと、喉に出かかった言葉を飲み込んで、しかし自分は一向に収まりつかな くなってしまった。冷静ではいられないなと、自分の心緒を客観視した気分でありました。 躊躇したのではありますが、 「加賀殿は、勘違いしておられる」 この言葉を吃りぎみに言い放ってしまいますと、もう昏い熱情を押さえ込むことは不可能でありました。 「どういう意味かしら」 「自分が提督殿を誘惑したのではないのであります。彼が自分を欲して、そして自分は応えた。ただそれだけのこと」 これを耳朶にした加賀殿はまず吃驚したように目を見開いて、しばし黙しておられた。言葉の理解が追いつくにつれ、次第次第に殺 気を迸らせ始めたのであります。 端から負けにゆく恋慕でありました。故にこの局面においてだけは、たといどれだけ罵られようとも、たといどれだけ堕ちようとも、 引くわけにはいかなかったのであります。妾が正妻に意見するなどおこがましい事なのでありましょうが、しかし自分は加賀殿以上に 彼のことを見てきたのであります。 「せ、責任逃れしているように、聞こえるけれど」 怒りに震える唇が、彼女を訥弁とさせたようでありました。自分はそんな加賀殿を見据え、遂に言ってしまった。 「無論、罪はあります。提督殿にもありましょう。……しかし自分に言わせれば、責任逃れをしているのは加賀殿。あなたのように も見受けられる」 「な、何が……」 「そもそも彼の精神の変調に気が付けなかったあなたが悪いと言いたいのでありますよ。あの提督殿がただの気紛れで不貞を犯すと、 本気でお思いなのでありますか? 彼の抱えていたものを見ようともせず察そうともせず、自分だけがいい思いをして、挙句が“私の提 督を誑かすな”であるのだから、妻帯者というのは大変でありますな」 自分でも驚くほどに、性格の歪んだ声色でありました。 「それ以上口を開いたら、許さない」 冷え冷えとした加賀殿のすごみももう耳朶にはできず、自分はただ純粋な嘲笑の心地にて彼女を謗ったのであります。 「そうやって鈍感だから、彼の態度の変わったことにも気が付かないでいたわけでありますな。……提督殿が初めて自分に口付けて くれたのは、ミッドウェーの終わった直後なのでありますよ」 卓が吹き飛び、加賀殿が自分を押し倒す。首に掛かった手の圧力が、自分の意識を薄れさせてゆきました。許さない、許さないと叫 び連呼された言の葉は、今でも耳にはっきりとしているのであります。 物音を聞きつけた艦娘が部屋に入り、加賀殿を取り押さえ宥めたとのことであります。だから依然自分は生きているわけなのであり ますが、その場面は自分の記憶の中からは抜け落ちていて、恐らくもう意識の落ちていたということなのでありましょう。ただ刹那の 勝利に酔いしれながら生命を投げ渡していたわけなのでありますから、滑稽な事この上ないのであります。 未だに関係は続いているのであります。夜を越すたび、いつかの終端が迫ってきます。この頃は提督殿も精神の健康を取り戻しつつ あり、つまり自分が必要とされなくなる日も近いのでありましょう。……万事、これで良いのであります。一時の快楽が自分には過ぎ たる幸福で、それが永劫続くとなればとても堪えきれるものではない。正しい日常が戻るだけ。憂いを抱く必要は無いし、寂寞に思う ことも無い。 気が付けばもうあの因縁のプレハブも壊され果てて、自分と彼とを繋ぐ絆に何の証左も無いのでありました。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/677.html
提督×ビスマルクの和姦です。 「~♪」 入渠中のビスマルクは鼻歌交じりにシャワーを浴びていた。 戦場の汚れを洗い流し、金色の産毛が熱い湯を弾き返す。 ビスマルクは女性の身だしなみとして無駄毛の処理には気をつけており 今日もそれをするつもりであった。 顔の産毛を処理し、腋に石鹸をつけ泡立てる、剃刀を使って綺麗にそり上げて行く 両脇を処理し、浴槽に足をかけて脛を処理しようと少し前屈みになった瞬間、 後ろから誰かが浴室にの戸が開いた音がした。 「入るぞ」 そう言いながら堂々と裸で入ってきた提督はビスマルクのうなじに優しくキスをした。 「あん、ちょっと危ないじゃない」 「今日も大戦果か、褒美に俺が綺麗にしよう」 「恥ずかしいから…いいわよ…」 「そこに座れよ」 「もう…仕方ないわね」 提督はそう言いながら器用に、浴槽に腰掛けたビスマルクの足を処理して行った… 提督の目の前には優しげなビスマルクの金色の陰毛が見え隠れする。 そこにキスをして提督が太腿を押し広げる。 「ここも綺麗にするぞ」 「え、ちょ、ちょっと!」 と、ビスマルクの返事を待たず、石鹸を塗り広げショリショリと剃り上げて行く 陰唇を抓み、一本の剃り残しも無い様入念に剃って行く。 我に返ったビスマルクは抗議の言葉を提督に投げるが、その頃には少女のような丘に成った ビスマルクのヴァギナが出来あがっていた。 「中途半端は嫌いだろ、後ろを向くんだ」 自分のヴァギナが毛一本も無いつるっとした状況となったのを見たビスマルクは、諦めた顔をして 「ええ…お願い」 と呟き、魅力的に引き締まったヒップを提督に向けた。 その秘所の後方からアナルに掛けて、ビスマルクの肉体を傷つけない様丁寧に剃り上げた提督は 仕上げにザーッと湯を掛けて、石鹸の残りを洗い流すとそのつるつるになった秘所に口付をした。 「あぅ」 いつもビスマルクをクンニする時は少し毛が邪魔であったが今日はその邪魔者が一切無い為に アナルの皺一本一本を丁寧に舐め上げ、次いでヴァギナを丁寧に舐め上げた。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ…Gut、いいっ…いいわぁ、素敵ぃ、はぁん♪」 ビスマルクは提督にその尻を押し付け貪欲に快楽を得ようとする。 舌を硬くし、ビスマルクのヴァギナにねじ込む、、両手はビスマルクの持ち重りのする乳房を掴んでいる。 提督は、いきなり体をすっと離し、訝る視線を向けるビスマルクに向かって リンスを体中に振り掛ける、浴室内が華やかなリンスの香りで満たされる。 「何、何するの?」提督の意図が理解できないビスマルクは目を白黒させて驚く。 提督は改めてビスマルクに抱きつき、立位のまま、ぎんぎんに怒張した巨砲を ビスマルクのヴァギナに埋めて行く、ビスマルクは提督にしがみ付くが、リンスが塗りたくられた ビスマルクの体はぬるぬると滑って提督のピストン運動を助けている。 どう抱き着いてもぬるぬると滑る為、ビスマルクは、提督の首筋にしがみ付き 提督の耳たぶを舐めまわしている。 感極まった提督はビスマルクの両足を抱え上げ、抱え上げたスタイルで突きに突き抜いた。 「ひあっ!あっ、あっ、か、感じちゃう、感じちゃうのぉ…貴方を、あ、あぁっ…!」 仁王立ちになった提督にしがみ付き、己の甘い夢を貪るビスマルク。 シャワーが滝の様に流れ続ける浴室の中で、2つの絡まり有った体は 同時に絶頂を迎えお互いに震える体を硬く抱きしめ合った。 お互いに見詰め合ったまま体を離すと、ビスマルクのヴァギナからは提督の愛の証である白い液体が とろとろと太腿まで流れ落ちてきた。 提督とビスマルクの体のそこかしこからリンスの香りが漂った、それをシャワーでよく洗い流し。 お互いの体を洗い合って浴室を出た二人。 「腹減ったな、間宮の所に晩飯でも食べに行こうか?」 「いいわね、もちろん提督の驕りよね?」 「任せとけ」 終 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/384.html
403 :名無しさん@ピンキー:2014/05/15(木) 01 22 03.94 ID LH5ck0+J ほーぅ。最近妙ーに解体に回される艦が多いと思っとったら。 ウチの提督は強い艦さえあればいい、お喋りはいらん、弱い軽空母など一切いらん言うんやな。 いやいや、それもまた真理や。否定する気ィはないで。 でもな。戦艦と正規空母だけの艦隊をな、黙々と運用してて楽しいか? 巨乳ばっかりに囲まれるのがホンマに天国か? たまには弱くても貧乳でもおもろい娘が欲しいと、バカ話もしたいと、ほかの連中がそう思うことは無いと言い切れるんか。 自信のあったネタがウケなかったこと、 どうでもええと思った話が意外にも大ウケ、そんなのはウチもしょっちゅうやで。 そのネタが「イイ」かどうかは、誰かが決めるもんやない。語るウチですらもはっきり分からん。 だからハズレ聞かされたー思ても「そいつを消す」やなく「聞かなかったフリをする」でなきゃ、絶対に次が続かなくなるんや。 提督はまだ若いから、ちょっち分かりにくいかも知れんけどな。 エロくないのはいらんて?そりゃ技量やボリュームの差は当然、ある。千差万別や。 でもな。これだけは覚えとき。 どんな乳も最初から巨乳だったワケやないで。 お前の目の前の貧乳も化けるかもしれないんやで。 素材も見極めず追い払うのは結構やけど、その時になって後悔するなやっちゅう話や。提督。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/516.html
456 :名無しの紳士提督:2014/08/04(月) 00 39 30 ID XFR4HtZQ 風呂上がり、艶のある黒髪が綺麗な彼女を見ると、ああ今日も終わったのだと感じる。 ここは前線、昨日いた艦娘が一昨日いた提督が骨となりあるいは勲章となり故郷へ帰る場所。 そんな環境に嫌気が差したのはお互い様で抱き合って眠るようになったのはいつからだろうか。 肌を重ね、一つに繋がったこともあるが互いに何か違うと感じ、以来日頃は一糸まとわず抱き合って寝るだけだ。 たまに口付けを交わしたりはするがその程度だ。 私も以前はこうなるとは思っていなかったし、裸の女性を前にしていたさぬのは逆に失礼だとも思っていた。 しかし、今となってはぬくもりさえあれば良いと思ってしまう。 壊れかけの心は性欲さえも抜け落ちているのかもしれない。 彼女とて、まるきり無事とはいかない。たまに私と抱き合っているとき、閉じられた扉に向かってこう言うんだ。 「大井っち、どうしたの」 と。おかしいだろう。大井は既に除籍されて久しいと言うのに。 だから、そんな時は、そんな時だけは私は初雪を抱くと決めている。 縁もゆかりもない大井呼ぶ彼女を見ていられないから。 私と初雪の情事をしるのは甲標的、それだけだ。 それが少しもどかしい。 きっと初雪には白無垢が似合うから。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/402.html
91 :実は『悪い男に引っかかりそうな艦娘』の話:2014/05/24(土) 21 56 57 ID o6rYhbK. (注、1レス小ネタ、微エロ~非エロ) 今回、語り手をさせてもらう若葉だ。 少しだけ語らせてもらおう。安心しろ、嘘はつかない。 例えば若葉の振りをした皐月だとか、雷とか、そんなことはない。駆逐艦、若葉だ。 だが、音声報告である以上、多少の齟齬は発生するかもしれないな。 決まってする前には他の艦をオリョール海やタンカー護衛に送り出すんだ。 見られながら、というのも好き同士なら悪くないとは思うがまぁ気にするな。 少ししたら提督から、連絡が来る。それで彼の執務室へ向かうんだ。 何故か布団がある。普段、昼間は畳まれて徹夜対策に使われるらしいが若葉がいる時は大抵正しくない使われ方をする。 僕の肩に手を回して、必ず口付けをする。それからいつものように今日は構わないかと聞いている。 大丈夫だ。そもそも、そういった行為が嫌いであれば自ら来たりはしない。 形式だけの確認を終えると互いに服を脱ぐ。たまに着たままを希望されるが汚れるのは困る。 そう伝えていたからか、手渡されたのは同型艦の服。なるほど、汚しても良い予備と言うことか、悪くない。 提督はかけるのが好きだ。まるでマーキングしたがっているように全身にかけようとする。 血や硝煙で手ばかり汚れるよりよほど良い。 今回は珍しいことに手でして欲しいと言われた。何分、若葉の手は戦うものの手だ。 そういう行為であれば器用な明石に求めると思っていた。 しばらくして得心がいった。大きくなれど出る気配がなく、そして妙な笑み。 イかせてみせろという意味か。 早くしたり遅くしたり、強く弱くと錯誤を繰り返すこと四半刻といったところか、ようやく欲望を吐き出した。 若葉の体を使えばよほど早いと言うのに、つくづく性格が悪い。 まだ、手しか汚れていないから次は何をされるのかと思えば、解放された。 服は汚れていないからこのままでも良いだろうと。なるほど。 今日はこの二番艦の格好のまま過ごせと言うのか、提督は本当に性格が悪いな。 ん? 何をしてるのかだって? 音声報告さ。秘書艦としての勤めだ。 ところで今回はどうだったんだい、司令? 陸奥か。次に期待だな。安心しろ『支援』もある。 ビスマルク、大和に大鳳。全て揃うまで付き合おう。 んっ、ふふ、くすぐったい。だが、どうも気分が高揚する。 これが奇跡のキスか。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/